【腰椎椎間板ヘルニアについて】
◆腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板が膨らんで神経を圧迫する病態を指します。
椎間板は「クッション」の役割を担っていて、
背骨の骨同士がぶつからないようにしたり、
歩行やジャンプの着地、頭や上半身の重さなどの負荷を吸収することで、
背骨を痛めないようにする重要な組織です。
◆腰椎椎間板ヘルニアの原因
腰椎椎間板ヘルニアの原因は、腰椎の椎間板(クッション)に
長期間の負荷がかかることによって、
核の一部が繊維輪を破り、神経を圧迫することです。
イメージとしては、お饅頭が押しつぶされて、
中身のあんこが飛び出したような感じです。
腰椎椎間板ヘルニアの原因としては、以下が挙げられます。
- 長時間の同じ姿勢をとること
- ギックリ腰などの急性の負荷
- 腰椎の変形(骨棘や脊椎管狭窄症など)
- 運動不足や肥満などの生活習慣病
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部分である核が、
腰椎の周囲を取り巻く繊維輪(お饅頭の皮)から
飛び出すことによって起こります。
これによって、神経を圧迫したり、炎症が起こったりするため、
腰痛や下肢のしびれなどの症状が現れます。
が「なんでヘルニアの原因になるの?」と思われるかもしれませんね。
この2つは、実は本質的な部分は一緒で、
「椎間板に長時間負荷をかけ続けてしまう」
という理由を持っています。
◆腰椎椎間板ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、患者さんによって異なりますが、
以下のようなものがあります。
腰痛は、腰椎椎間板ヘルニアの最も一般的な症状であり、患者さんの約90%に現れます。
お尻からももの裏、足先に向かって痺れが出ることも特徴で、
脚の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
また、重度の腰椎椎間板ヘルニアでは、痛みや痺れによる歩きにくさから、
障害歩行が起こることがあります。
◆腰椎椎間板ヘルニアの発症しやすい年代
腰椎椎間板ヘルニアは、特に30歳以上の男性に多く見られます。
ですが、実際の医療現場では30代で強い症状で悩んでいる人は少なく、
40代〜50代で”筋力が低下してきた年代”で症状を強く感じ始め、
病院を受診して発覚する人が多いとされています。
そして最近では、10代や20代などの、
若年層でも発症することがあるため注意が必要です。
腰椎椎間板ヘルニアは、年齢、性別、職業、生活習慣など、
さまざまな要因によって発症することがあります。
特に、長時間の同じ姿勢を取ることや、
重い荷物を持ち運ぶことが多い職業の人は、
腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクが高いとされています。
また、運動不足や肥満、喫煙などの生活習慣病も、
腰椎椎間板ヘルニアの発症リスクを高める要因となります。
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法は、
症状の程度や患者の状態によって異なりますが、
以下のような方法があります。
保存的治療は、痛み止めや湿布、理学療法、
ストレッチなどを用いた保守的な治療法であり、
軽度の腰椎椎間板ヘルニアには効果的です。
一方、手術治療は、保存的治療が効果的でない場合に行われます。
手術治療には、椎間板摘出術や人工椎間板置換術などの方法があります。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアは、年齢、性別、職業、生活習慣など、
さまざまな要因によって発症することがあります。
軽度の場合は、保存的治療が有効ですが、手術治療が必要な場合もあります。
もし、腰椎椎間板ヘルニアの症状がある場合は、
早めに医療機関を受診することをおすすめします。
執筆者 柔道整復師 奥村龍晃
フィジカルバランスラボ整体院 院長