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2018年3月25日

内科系疾患に対するセラピストとしての役割

痛みを取り、痛みが取れた後の

カラダをプロデュースする柔道整復師

気になる映画がある奥村です!

 

先日、患者さんからの紹介で新規の患者様が来られました。

その方は6年前に「潰瘍性大腸炎」と診断され

今も治療中とのことでした。

現状は肩こりや腰痛などの目立った悩みはなく、

「今の自分のカラダの現状が知りたい」

といって来院されました。

 

僕は柔道整復師なので、僕にできることは

筋膜リリースや骨格調整などの整形外科疾患の痛みや慢性症状の改善、

再発予防のためのリハビリやトレーニングの指導がメインです。

 

僕は医師免許を持ってないので

診断はもちろん注射を打ったり、

お薬を処方したりはできません。

 

風邪を治すこともできないんです。

 

そんな「セラピスト」という立場の人間が、

筋肉や骨・関節以外の悩みや症状を抱えた患者さんから

相談やサポートを求められたとき、何をするべきなのか?

どのような対応をして、どのようなサポートを提供できるのか?

 

「自分は内科系疾患は専門外だから関係ない」

「病院の先生に任せてればいい」

僕がまだこの業界に入ったばかりのころに指導してくれた先生からは

「へたに内科系疾患に手を出すと危険だから関わらないほうがいい」

と指導されたこともあります。

 

確かに専門知識が豊富なわけでもなければ

精密な診断や検査ができわけでもありません。

内科系の症状に直接的に治療が出来るわけでもありません。

 

だからといって見過ごしてもいいのでしょうか?

僕たち「セラピスト」にも微力でも

何かできることはあるんじゃないかと思っていました。

 

今回来られた新規の患者様は

事前に「潰瘍性大腸炎」だということは教えてくれていました。

難病指定をされている自己免疫疾患です。

 

あくまでも自分なりにですが

原因や症状、治療法や改善例などをたくさん調べました。

相談できる知り合いには片っ端から連絡をして、

少しでも有力な情報がないか探りました。

 

「これで良し!」なんていう準備ではなかったかもしれません。

それでも少しでも何か力になりたいという一心で、

自分にできる最大限で対応させていただきました。

 

初診では必ず90分という長めの時間をいただき、

深く・詳しくカウンセリングをしています。

その後に姿勢や筋肉・筋膜・関節の動き

痛みの出る動作や動きの癖を診ていきます。

 

そして、今1番不安に思っていること

今後どんなカラダになって、どんなことがしたいのか?

を聞かせてもらいました。

 

患者様は、初めて会う僕に対して

涙を流しながら不安を打ち明けてくれました。

そして、世界一周旅行に行きたいと、

僕までワクワクするような目標を言ってくれました!!

 

その不安と目標を共有したうえで

僕なりの「今のカラダの状態」の見解をお伝えして、

「目標達成のために一緒に頑張りましょう!」

「こんなところに注意して生活してみましょう!」

などの提案をさせていただきました!

 

僕は今までに3名の「潰瘍性大腸炎」と診断された患者さんに出会いました。

皆さん女性で、とても真面目で頑張り屋さん。

少し完璧主義かな?と思うくらい自分に厳しい方ばかりだった印象です。

 

そんな真面目で頑張り屋さんの多くは、

「力を抜く感覚がわからない」んです。

何をするときも全身に力が入っていて

脱力をすることができない。

 

自律神経の側面からみると

ずっと交感神経が優位になっていて、

ずっと興奮状態・戦闘モードになっているんです。

 

だから自分の自己免疫機能もずっと戦闘モードで、

過剰に自分のカラダの中で暴れてしまう。

頑張らなくてもいいときでも頑張っちゃうんです。

 

僕は今まで出会った3名の方にそんな印象を抱きました。

 

なので今回の患者様には、まずは

「力を抜く感覚」

「脱力の感覚」

を知ってもらいたいと思い、

レッドコードで全身を浮かせました。

 

最初はなかなか力は抜けずに不安そうにしていましたが、

力の抜き方のコツを伝えて、

頚椎と胸椎を少し調整したらすごく上手に

力が抜けるようになりました!

 

治療が終わった後の自分のカラダの体感・変化を感じてくれて、

患者様の付き添いの方も変化にビックリしていました!

 

長期間の交感神経が優位な状態や、焦りや自分を責める感情は、

細胞レベルで自分のカラダを攻撃して

色々な症状を引き起こす原因になっているという発表をしている

ドクターの話を聞いたことがあります。

 

自分では気づかなかったり、

自分にとっては当たり前だったりすることが、

知らず知らずのうちに自分のカラダを

攻撃していることもあると思います。

 

今回僕が提供した治療は

「力を抜く感覚を知ってもらう」ことだけです。

 

「ほとんどなにもされてないのに、頭とカラダが軽くなった!」

と言われたほど、何もしてないです(笑)

 

それでもカウンセリングの時とは違う涙を浮かべながら、

「すごく楽になりました!」

「元気になった気がします!」

と言ってくれました。

 

僕は「潰瘍性大腸炎」を治すことはできません。

ですが、「潰瘍性大腸炎」と診断された方の、

回復力や「健康になっていく力」を

引きだすことは出来ると思っています!

 

筋肉などの「カラダの外側」から発信される情報を通して

内臓や自律神経などの「カラダの内側」を理解する。

もっと大切なのは、患者さんという

「一人の人」としての理解がとても重要だと思います。

 

僕たち「セラピスト」は

「腰痛などの痛みを診る」前に、

この患者さんはどんな人だろう?と

「人をみる」ことが一番大事じゃないかと思います。

 

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  • Author:pbl