【原因はどこにあるのか?】
【原因はどこにあるのか?】
ナスルディンという男が、
自宅の前の地面に這いつくばって、
探し物をしていた。
そこへ友人が通りかかって、
「何を探してるんだ?」と尋ねる。
ナスルディンは「カギだよ」と答える。
そこで友人も一緒に地面に這いつくばって、
カギを探しはじめてくれた。
だけど、なかなかカギは見つからない。
友人はナスルディンに聞いた。
「どこでカギを無くしたんだい?」
ナスルディンは、
「家の中だよ」
と答えた。
その答えに友人はさらに聞いた。
「それなら、なぜ外を探してるんだ?」
するとナスルディンは答えた。
「家の中よりも外の方が、
明るくて探しやすいからさ」
腰が痛い
肩が痛い
膝が痛い
身体に起きた問題を
解決しようと考えるとき、
僕たち治療家はついつい、
解決“しやすい“方法で
解決しようとしてしまう。
表面的な
筋肉が硬い
姿勢が崩れている
運動不足だ
という課題ばかりに
目を向けてしまう。
治療方針や経営スタイル、
仕組みや時間的制約で、
“効率”を優先するのはわかる。
でも、
「外の方が明るいから」
と言って、
“探しやすい”場所を探しても、
『カギ=原因』は見つからない。
家の中が暗いなら、
明るくする方法を考えればいい。
「家の中=生活習慣や日常生活動作」
の中でしか、
『カギ=原因』は
見つからないのだから。
腰が痛い
肩が痛い
膝が痛い
という結果と、
筋肉が硬い
姿勢が崩れている
運動不足だ
という課題は、
どんな生活習慣なのか?
どんな動作が多い生活なのか?
どんな動きが苦手なのか?
という『原因』を【想像】する
ヒントや予備情報にすぎない。
今回、自分が膝を痛めて、
注射を打っても治らなかった経験から、
大切なことを学んだ。
姿勢分析やヒヤリングの精度を
もっと上げたいと思う。
家の中を鮮明に【想像】できるように。
家の中の詳細を教えてもらえるように。
家の中での過ごし方をデザインできるように。
カギが見つかれば、
必ず扉は開く。